講座の一時間前に到着。さすがに早く着きすぎたと思ったら、もう学生が7人ほど中に!やる気がすごい!
相変わらず講義の直前になれば教室にはたくさんの学生。テレビ朝日メディアプレックスの社員のみなさんも数多くいたようです。
さて、今回講義をするのはテレビ朝日コンテンツビジネスセンター所属プロデューサー、長谷川主水先生。
鮮やかな青色のニットが似合っていて、さわやかで優しそうな印象でした。
今回はUstream(最近日本語対応しましたね!)での生配信はありませんでした。生配信になぜ可否があるのか、それについては加藤先生から語られました。メディアやコンテンツを取り扱った講座である以上、それだけ権利への配慮が必要になるということ。デジタルメディアの発展と権利関係の複雑化は表裏一体だとのことでした。
講義は「テレビを含めたメディア全般」について。テレビ局で働いている方から、テレビ局の内側のことを聴くことは貴重でした。
テレビ局には何人ぐらいが働いているのか、視聴率はどのようにして計られているのか、といったものから、今のマスメディアについて、これからのテレビ局について、テレビとインターネットの関係などまで、広範にわたりました。
その中でも、とても興味深い話題だったのが「今はビジネスの転換期」であり、「テレビというメディアの過渡期」ということ。テレビは単体としてのおもしろさだけでなく、テレビと他のメディアが積極的にクロスして新たなおもしろさを追及している最中であると話す長谷川先生には、熱がこもっていました。よくいろいろなメディアでテレビの未来を案ずる声がきかれますが、長谷川先生のような新世代の方が、テレビを新しい方向に導いているのだと感じました。
学生たちも知っているつもりで知らないような事実も多々あったし、本当の意味での「テレビの今」を体感する機会になったと思います。
質疑応答では「ドラマなどでCMになると音量が大きくなるのはなぜ?」「ニュースの論調はどのように決まるの?」「最近のテレビってつまらないのですがなぜでしょう?」など日芸生らしく、いろんな角度からの質問が数多くあり、活気に満ち溢れていました。
しかしながら、あいにくの時間切れで、のこりはTwitter行きとなっていました。
さて、Twitterの公式アカウントではフォロワーがついに100人を超えました。すごい!今後Twitterをもっと使っていき、おもしろい事を加藤先生や下山先生に期待すると同時に、僕たち学生からも提案していけたらいいですね。
・テレビ局というもの
テレビ局は約1200人が働いている。その約半数はテレビ番組の制作に携わり、半数はビジネスに携わっている。
その他、視聴者のセグメント方法、視聴率の計測方法について。
・視聴率とメディアパワー
視聴率は関東では600世帯で計測されている。ちなみに視聴率1%というのは関東では約18万世帯、全国では約38万世帯が見ている計算になる。1世帯(2〜3人)全員が見ているとすると全国で1%は約100万人が視聴しているという計算。
・テレビビジネスの過渡期
これまでは世帯を基準に視聴率を扱ってきたが、ライフスタイルの多様化により、個人単位で論じる必要がでてきた。テレビ局の主な収入はCM。一昨年11月のリーマンショックなどから起こったといわれる不景気の波は確実に影響を及ぼしている。限られた制作費でいかにおもしろいものをつくれるか、広告とテレビはもっと協力しておもしろいことをできないかなど様々な試みを行っている。
・テレビ朝日とインターネットのクロスメディア
企業が広告費を使うメディアはテレビの次にインターネットの割合が大きくなっている。今以上に、テレビとインターネットは関わりを求められていくことになる。テレビ朝日がしているクロスメディア例として「やべっちF.C.」や「ロンドンハーツ」、「お試しかっ!」での番組連動企画、「モジャモ」というキャラクターを使ったインターネット主導の企画、Youtubeとパートナー契約をした動画配信などが挙げられていた。クロスメディアして相互に更なる発展を遂げていく必要がある。
・テレビの未来
テレビ局が開局して50年。次の50年はどうなっていくのか。クロスメディア化が益々進んでいくなか、インターネットとテレビは競合もするし、よき味方にもなる。そういった議論も活発だ。クロスメディア展開のアイデアが重要。
今後、より必要とされるスキルとして「アイデアと実行力」「コミュニケーション力」に並んで「ビジネス感覚」が挙げられていた。テレビというメディアは伝統を引き継ぎつつも、多様性と時代のニーズに合ったかたちに生まれ変わるだろう。