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テレビ朝日メディアプレックス・日本大学藝術学部産学協同総合講座

REPORT:授業レポート

第2回4月24日(土) 放送事業の変革
長谷川主水(株式会社テレビ朝日 コンテンツビジネス局 コンテンツビジネスセンター プロデューサー)
 ライター 日本大学藝術学部文芸学科4年 栗原 雅貴
テレビ朝日プロデューサー 長谷川主水さん

 講座の一時間前に到着。さすがに早く着きすぎたと思ったら、もう学生が7人ほど中に!やる気がすごい!
相変わらず講義の直前になれば教室にはたくさんの学生。テレビ朝日メディアプレックスの社員のみなさんも数多くいたようです。

 さて、今回講義をするのはテレビ朝日コンテンツビジネスセンター所属プロデューサー、長谷川主水先生。
鮮やかな青色のニットが似合っていて、さわやかで優しそうな印象でした。

 今回はUstream(最近日本語対応しましたね!)での生配信はありませんでした。生配信になぜ可否があるのか、それについては加藤先生から語られました。メディアやコンテンツを取り扱った講座である以上、それだけ権利への配慮が必要になるということ。デジタルメディアの発展と権利関係の複雑化は表裏一体だとのことでした。

 
「テレビを含めたメディア全般」について

 講義は「テレビを含めたメディア全般」について。テレビ局で働いている方から、テレビ局の内側のことを聴くことは貴重でした。

 テレビ局には何人ぐらいが働いているのか、視聴率はどのようにして計られているのか、といったものから、今のマスメディアについて、これからのテレビ局について、テレビとインターネットの関係などまで、広範にわたりました。
その中でも、とても興味深い話題だったのが「今はビジネスの転換期」であり、「テレビというメディアの過渡期」ということ。テレビは単体としてのおもしろさだけでなく、テレビと他のメディアが積極的にクロスして新たなおもしろさを追及している最中であると話す長谷川先生には、熱がこもっていました。よくいろいろなメディアでテレビの未来を案ずる声がきかれますが、長谷川先生のような新世代の方が、テレビを新しい方向に導いているのだと感じました。

学生たちも知っているつもりで知らないような事実も多々あったし、本当の意味での「テレビの今」を体感する機会になったと思います。

 質疑応答では「ドラマなどでCMになると音量が大きくなるのはなぜ?」「ニュースの論調はどのように決まるの?」「最近のテレビってつまらないのですがなぜでしょう?」など日芸生らしく、いろんな角度からの質問が数多くあり、活気に満ち溢れていました。

 しかしながら、あいにくの時間切れで、のこりはTwitter行きとなっていました。

 さて、Twitterの公式アカウントではフォロワーがついに100人を超えました。すごい!今後Twitterをもっと使っていき、おもしろい事を加藤先生や下山先生に期待すると同時に、僕たち学生からも提案していけたらいいですね。


——本日のまとめ

テレビ局というもの
テレビ局は約1200人が働いている。その約半数はテレビ番組の制作に携わり、半数はビジネスに携わっている。
その他、視聴者のセグメント方法、視聴率の計測方法について。

視聴率とメディアパワー
視聴率は関東では600世帯で計測されている。ちなみに視聴率1%というのは関東では約18万世帯、全国では約38万世帯が見ている計算になる。1世帯(2〜3人)全員が見ているとすると全国で1%は約100万人が視聴しているという計算。

テレビビジネスの過渡期
これまでは世帯を基準に視聴率を扱ってきたが、ライフスタイルの多様化により、個人単位で論じる必要がでてきた。テレビ局の主な収入はCM。一昨年11月のリーマンショックなどから起こったといわれる不景気の波は確実に影響を及ぼしている。限られた制作費でいかにおもしろいものをつくれるか、広告とテレビはもっと協力しておもしろいことをできないかなど様々な試みを行っている。

テレビ朝日とインターネットのクロスメディア
企業が広告費を使うメディアはテレビの次にインターネットの割合が大きくなっている。今以上に、テレビとインターネットは関わりを求められていくことになる。テレビ朝日がしているクロスメディア例として「やべっちF.C.」や「ロンドンハーツ」、「お試しかっ!」での番組連動企画、「モジャモ」というキャラクターを使ったインターネット主導の企画、Youtubeとパートナー契約をした動画配信などが挙げられていた。クロスメディアして相互に更なる発展を遂げていく必要がある。

テレビの未来
テレビ局が開局して50年。次の50年はどうなっていくのか。クロスメディア化が益々進んでいくなか、インターネットとテレビは競合もするし、よき味方にもなる。そういった議論も活発だ。クロスメディア展開のアイデアが重要。

今後、より必要とされるスキルとして「アイデアと実行力」「コミュニケーション力」に並んで「ビジネス感覚」が挙げられていた。テレビというメディアは伝統を引き継ぎつつも、多様性と時代のニーズに合ったかたちに生まれ変わるだろう。


>>当日の様子を写真でみる
アンケートを真面目に読む長谷川主水さん受講した学生さんから授業後のアンケートや口頭での質問、Twitter等で意見、感想、質問を募集しました。そのたくさんのコメントの中から、一部抜粋して掲載します。

今回は講師の長谷川さんに受講生のみなさんのアンケートに直接答えてもらいました。
授業で聞けなかった質問にざっくばらんに答えて頂いたコメントを掲載します!



◆米国のiTunesのように横断的に番組を探せて気軽にどこでも購入出来るシステムをなぜ日本のテレビ局はつくろうとしないのでしょうか?
インターネットのみの番組を制作する予定などはありますか?
番組を気軽に購入できるiTuneのようなシステムは作ろうとしないわけではありません。
ここは真面目にこたえちゃいましょう。
ただし現実には、番組をインターネットで流すためには様々な権利(出演者の肖像権や音楽の権利など)をクリアしなければならず、実際はその権利処理作業を全ての番組で行っていく事が難しい場合があります。
将来的にはそういった事が現実のものになるかもしれません。
また、インターネットのみの番組についてですが、各テレビ局のサイトをみていただくとわかるのですが、すでに制作されているものもあります。今後も色々なチャレンジが行われていく事になると思います。
◆テレビ局の映画は配給がテレビ局ということでしょうか?
 ジェネラリストとスペシャリストの両方をこなすとどちらかがおろそかになることがありました。どうしたらいいでしょうか?
 全力坂のコンセプトっていったい何なんですか?
 「テレビプロデューサー」に求められる資質は何なのでしょうか?
おー、好奇心旺盛ですねー。たくさんの質問いただきました。まずは映画の質問についてお答えします。
配給については配給会社さんにお願いする事が多く、テレビ局は映画の製作委員会として映画製作を行っていくケースが多いです。

次にジェネラリストとスペシャリストのお話ですが、両方の目線が必要なんだ、という事さえ認識していれば、自分がより向いていると思う方(好きな方)に集中すればよいと思います。
それだけでは足りないということを、知っている事が大事です。
特にみなさんはそれぞれの学科でプロフェッショナルを目指して勉強してると思いますので、それを極めるつもりで思いっきりやってみてほしいなと思います。

次は「全力坂」のお話しですが、コンセプトは全力で坂を駆け上がる女の子の達成感…って見たままですねぇ(笑)。深夜のミニ番組はとにかくインパクトの強い映像でチャンネルをそこで止めてもらう必要があったりします。そんな狙いで(他にも色々ありますが)企画された「全力坂」、ちょっといいでしょ。

最後にプロデューサーに求められる資質についてですが、ずばり「コミュニケーション力」です。プロデューサーにも色々なタイプがいます。自分で何でもできるタイプ、回りのスタッフの力を引き出すタイプ、情熱的なタイプ、冷静なタイプetc・・・どんなタイプでも総じて言えるのは「コミュニケーション」がとれないと、プロデューサーは務まらないということです。プロデューサーを目指す方は、色々な人と接して、とにかく人を好きになることが近道だと思います。
まだまだ熱読中。。。随時更新していきます!!
敬称略

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