クロスメディアマネージメント

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テレビ朝日メディアプレックス・日本大学藝術学部産学協同総合講座

REPORT:授業レポート

第4回5月22日(土) コンテンツビジネス 〜ライツビジネスのスキーム構築〜
大和由紀子(株式会社アミューズ  ライツマネージメント部 ライツマネージメント室 専任プロジェクトマネージャー)
 ライター 日本大学藝術学部文芸学科4年 栗原 雅貴

 5月22日第4回講義のレポートです。

 今回もたくさんの人で埋まっていました。
 相変わらずの加藤先生の余裕の無さは、もうこの講義の見どころの一つとなっているのではないでしょうか。

 第4回は株式会社アミューズ ライツマネージメント部ライツマネージメント室専任プロジェクトマネージャー、大和由紀子先生です。1991年に日本大学藝術学部映画学科を卒業された、僕たちの先輩です。そのこともあってか、講義はとてもアットホームなものになっていたように感じました。講義後は外で希望した学生と名刺交換までさせてくださいました。

 

 講義は「大和先生の経歴」「株式会社アミューズはどのような会社か」「クロスメディアで目指すこと」の3部構成でした。3部では、あるアーティストのPR方法を実際に学生に考えてもらうといった試みもありました。
 1部では大和先生が経歴を話してくださいましたが、学生時代の進路の話になると教室から驚きの声。「Please hire me」と書いて経歴を同封した手紙をアメリカの映画会社に片っ端から送ったとのこと。その行動力は日藝生も見習うべきですね。そこで知り合った方に紹介してもらい、カリフォルニアの映像プロダクションで4年ほど働いた大和先生はそこから、広告代理店やテレビ局などマスコミ関係の様々な職場で働き現職に至ったそうです。
 何でも体験してみて、自分のイメージとどこが異なり、どこが同じであったかを確認することは、とても大切という言葉はとても印象に残りました。アミューズさんは「総合エンタテイメント企業」と冠するということで、大和先生自身も現職に至ったのは納得されていたようでした。
 2部はアミューズさんがどのような会社なのかを映像やデータで講義してくださいました。アミューズさんは主にタレントマネージメントを手掛ける会社で、200人近いアーティストが所属していますが、お笑い芸人やグラビアアイドルは著しく少なく、ミュージシャンもシンガーソングライターがほとんどで、自分でコンテンツを作ることのできるアーティストが多く所属しているそうです。映像ではサザンオールスターズやPerfumeなどアミューズさんに所属しているアーティストや会社が力を入れている事業について紹介されていました。
 そのアミューズさんで大和先生が実際にされているお仕事は「コンテンツに関係するライツまわりをビジネスの立場から考える」といったもの。具体的には「様々な契約書の作成や精査」「新規クロスメディアライセンスの企画・営業」「データベースの更新」等を主にされているそうです。

 個人的に興味深かったことが「農業や飲食業への取り組み」です。前回の講義で日比野先生が説明してくださったように、アミューズさんもアーティストを軸にして様々な展開をしています。その中に農業や飲食業を体験して発信するというものがありました。後の質問で明らかになったのですが、農業プロジェクトは社内での30周年記念企画コンペで採用された企画だそうです。一見関係性の低い事業とも、積極的に関わる事によって新たな価値を見出そうとする姿勢は、クロスメディアにも通ずるものがあると考えました。
 3部ではコンテンツ形態のこれからを予測し、一緒に考えました。そこで大和先生は「京(みやこ)」というアーティストをいかに魅力的にプロデュースしますか、というお題を学生に投げかけました。このアーティストは大手ブランドとのコラボ企画からはじまったキャラクターです。これに似た事例として「おしりかじり虫」がまず挙げられます。キャラ化することによる利点やコラボした利点などを考えて学生たちは熱心にプロモーション企画を考えていました。
前回に引き続き質疑応答の時間を長くとっていただいたおかげで、活発なコミュニケーションが行われていました。最後に学生たちにアドバイスをいただいて講義は終了。講義の回数を重ねるごとに、クロスメディアを個人が様々な考え方でとらえられるようになっていると思います。


——本日のまとめ

イメージすること、体験すること
何かをイメージすることはもちろん大切だけれど、それ以上にその何かを体験して自分のイメージとの相違点、同じ点を確認していく作業が大切。

株式会社アミューズという会社
タレントプロモーションを主に、映画、ライブエンタテイメントなど様々な事業を展開する「総合エンタテイメント企業」。社員数は203人、男女比はほぼ五分五分。平均年齢は34.49歳で平均勤続年は7〜8年。

アメリカ留学の良かったところ
基本的には全て良かった。日本と比べて自由で、高い地位の方もとてもフランク。そして若い世代の人を「育ててあげよう」という雰囲気が強い。何より語学力が上がる。

コンテンツのこれから
映画は配信によるVOD(Video On Demand)サービスが活性化していくのではないか。放送ビジネスもデジタル化によってソフトとハードの分離化が加速して、音楽は配信により展開が多岐にわたる。ユーザーとしての視点を作り手はより意識していくべきだ。そして今後プロデュースやクロスメディアを考え、携わるのであれば著作権については勉強して損は無いはず。少し先の未来では権利の問題が今以上に慎重な対応を求められるのではないか。

 

受講した学生さんから授業後のアンケートや口頭での質問、Twitter等で意見、感想、質問を募集しました。そのたくさんのコメントの中から、一部抜粋して掲載します。
◆放送学科Iさん(アンケートより)

「行動力」の大切さを改めて感じました。就職活動にこれから取り組むにあたり、考えるより動くことが必要になってくるということが、必ずあると思うので、フットワークを軽く、力を学生であるうちに身につけていきたいと思います。

◆写真学科Mさん(アンケートより)
マネージメント会社が何をしている会社なのかわからなかったのですが、具体的な内容なども聞くことができて面白かったです。大和先生は今までの仕事全てが今の仕事につながっているんだな、と思いました。また先生の人柄なのか、聞いていて、安心感と自信が溢れている感じでかっこよかったです!
◆音楽学科Mさん(アンケートより)
大和先生のようにいろいろなところで様々な経験をすることで、クロスメディアについて深く考えることができるようになるのかな、と思いました。もっともっと積極的に動いていこうと思いました!
◆文芸学科Uさん(アンケートより)
ライツマネージメント部という部はあまり聞いたことがなかったのですが、そういった仕事があるのかと、自分の選択肢が広がった気がしました。
敬称略

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