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テレビ朝日メディアプレックス・日本大学藝術学部産学協同総合講座

REPORT:授業レポート

第9回6月26日(土) 面白法人カヤックのアイデアハック
柳澤大輔(面白法人カヤック 代表取締役社長)
 ライター 日本大学藝術学部文芸学科4年 栗原 雅貴

 6月26日、第9回のレポートです。

 今回は立ち見の学生がいてもおかしくないほど、数多くの学生が来ていました。加藤さんは今日も緊張していました。

 第9回は面白法人カヤック代表取締役社長 柳澤大輔先生に越しいただきました。冒頭で「講義を通して2つ、3つほど何かをつかめればいいと思って聴くと良い」とおっしゃっていましたが、数多くの何かをつかんだ学生も少なくはないのでしょうか。

 講義は大きく分けると2部構成。1部では主に会社紹介、2部ではカヤックが手がけた様々なコンテンツの紹介でした。今までの講義内容をキーワードで振り返ると「権利」「海外経験」「クロスメディア」「キカク」といったものが挙げられると思います。そして今回以降の講義で確実にキーワードになるだろうと思われる言葉が「WEB」です。少なくともこの講座を受講している日藝生は、僕たちの生活に必要不可欠といっても過言ではない、この便利で身近な存在を介して「いかにおもしろいことができるか」と考え、実行することに大きな興味を持つべきでしょう。そのことを考えるきっかけという観点からも、柳澤先生の講義は素晴らしかったのではないでしょうか。

 

 

  1部では面白法人カヤックという会社をご紹介していただきました。ここで気になったものを中心に振り返ります。
まずは「カヤックの経営理念「つくる人を増やす。」というものです。柳澤先生は起業する際に、経営理念についてとても研究されたそうです。経営理念とは「どのようにして社会に貢献するかを示したもの」と柳澤先生はおっしゃっていました。カヤックの経営理念を「つくる人を増やす。」にした理由は、ものづくりをするとき、人は自分以外の誰かを想ってつくる。それは喜ばせたいとか、楽しませたいとか。であれば、もし、つくる人が増えるともっとよい良い社会になるのではないか、そんな思いを込めて経営理念を「つくる人を増やす。」にしました、とのこと。

次に「サイコロ給とスマイル給」というもの。この取り組みは数多くのメディアに取り上げられていて、このことでカヤックの名前を知った人も少なくありません。「サイコロ給」とは、自分の基本給に「サイコロを振って出た目(%)×基本給」が上乗せされるというものです。「友達と起業したら絶対もめる」と起業時に周囲の方から言われたのを「一緒にやって楽しい」という気持ちを忘れずにする仕組みをつくることで未然に防ぐことができないか、と生まれたこの仕組み。個人的にはとても面白いと思いましたが、学生の皆さんはどう思ったでしょうか。一方、「スマイル給」とは給与だけでは表せないことを伝えてあげたいということで社員同士がお互いに贈りあうシステムとのこと。毎月毎月きっと、その月々で社員の魅力は変わるはず。そんな背景から生まれた給与システム。もちろん、スマイル給は0円ですよ。



 最後に「何をするかより誰とするか」という言葉。働く仲間を大切にするカヤックのこの言葉に対するこだわりは、会社HPの社員紹介にも色濃く反映されています。全ての社員の説明がそれぞれ事細かにされていて、本人写真や手がけた仕事紹介以外にも個人の趣向や、様々なアンケート項目についての自らの答えも記されています。カヤックを退社した社員の方のプロフィールも同様に公開されているので驚きです。このキーワードに込められているロジックは「企業は人によって運営されています。であれば、その企業で働く人がどういう人なのか。そこをできるだけオープンにすることで、興味を持ってもらえます。働く社員を通して、カヤックをご覧いただくことで、結果会社のことをもっと知ってもらうことができる」というものだそうです。就職活動をする際に会社データとして、その会社が何をしているのかに目を奪われがちですが、誰とするのかということをもっと意識しても良いと思いました。

2部として会社オリジナルのWEBサービス受託によるWEB製作の一部をご紹介していただきました。
両方ともとても興味深いものでした。何よりとても数が多い。コンテンツの量の多さもカヤックの魅力の一つでしょう。おもしろいと感じたことを実行する速度は素晴らしいと思いました。またWEBでは常に新しい技術やコンテンツがすごいスピードで生まれていて、ユーザー側もネット上でその新しさを求めているとのこと。新しい技術が生まれたら常に乗り換えていかなくてはならないということは、好奇心や探究心もとてもWEBの世界では重要な事ですね。さらにWEBの中だけでなく実際に店舗を構えてその中で行うサービスも実行しているとのこと。代表的なものとして「DONBURI CAFE DINING bowls」が挙げられます。


  最後にブレストの方法論とその効果、アイデアに対する考察を受けて講義は終了。質疑応答に移りました。「アイデアいっぱいの人は深刻化しない」と柳澤先生はおっしゃっています。これは換言するとたくさんの選択肢がある人は深刻化しないというもの。アイデアの出せる量、つまり選択肢の数はどのような人も変わらない。それらのセンスの善し悪しはあるのかもしれないけれど、そのことに気がつくことで毎日をポジティブに頑張れる。このメッセージは多くの学生の心に残るものだったと思います。


【作品紹介】
◆HOUSECO(http://www.houseco.jp/)
家づくりコミュニティ。マイホームを建てたい人と建築家をつなぐWEBコンペサイト。
◆DEKI NOTE(http://dekinote.kayac.com/)
読書感想文を自動に制作してくれるサービス。様々なWEBサービスを用いて、その人の立場に最適化された感想文を製作することが出来る。
◆ART-Meter(http://www.art-meter.com/)
画家の絵を量り売りするサービス。数多くの画家の絵を自由が丘の店舗で半年間預かり、それらの購入を求める人はWEBから購入することが出来る。
◆Domino's App(http://www.dominos.jp/iphone/)
ドミノピザのiPhone用サービス。注文やミニゲームをすることができ、GPS機能を使用することによって指定した場所への配達も可能とする。



受講した学生さんから授業後のアンケートや口頭での質問、Twitter等で意見、感想、質問を募集しました。そのたくさんのコメントの中から、一部抜粋して掲載します。
◆音楽学科Nさん(アンケートより)
私はIT関連が疎いのですが、Webの中にいろいろな見たことのない世界が広がっているんだとおもいました。もしかすると損していたのかもしれません。もっとアグレッシブに活用していこうと思いました。
◆写真学科Gさん(アンケートより)

私みたいなWebの楽しさを知らないアナログ人間でも楽しそうだと思えるのはカヤックのみなさん自身が本当に楽しんでいるからだと思います。本当にいい社員さんに恵まれているんですね。今度カヤックさんのサービスを使ってみようと思います。私の中でWebの楽しさと価値が上がった楽しい講義でした!ありがとうございました。

◆写真学科Hさん(アンケートより)
誰も挑戦したことのない正解に挑むことや、まだ見ぬ何かを見つけることは勇気がいることだし、労力もいるけど、その中には絶対まだ感じたことのない"楽しさ"や"面白さ"が隠れていると思うので、、それもIT業界の魅力なのかなぁと思いました。
◆放送学科Nさん(アンケートより)

授業の中にめちゃめちゃヒントがあって、説明もわかりやすくて、柳澤さんのゼミ、、、というか"教育の場"があればいいのにと思いました。導かれたらものすごく高かったり、深かったり、遠くにいける気がしました。

◆放送学科Yさん(アンケートより)

全く関係ないのですが、自分、本日講義ノートを利き手ではない方の左手でとっていました。隣にいたG君が「両手で書けば倍書ける」というのでやってみたら、左手で書く文字はなぜか鏡文字になってしまいました。...しょうもない発見ですが、ぜひお試しください。

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