BLOGブログ

非エンジニア向けAWS勉強会を開催していただきました。

テレビ朝日メディアプレックスは、Amazon Web Services(以下、AWS)アドバンストコンサルティングパートナーであり、AWS認定資格取得社員が日々増加しております。資格取得者は職種、役職に限らず、中には非エンジニアの営業やWebディレクターや、役員もおります。
お客様へより最適で寄り添ったご提案ができるよう、会社全体としてAWS認定資格取得を目指した様々な取り組みを行っております。

先日、Amazon Web Services Japan K.K.の小林さんを講師にお迎えし、AWS勉強会を開催していただきました。本研修への参加者は、当社の3年目までの若手社員全員、また普段AWSを触ることのないWebディレクターやプランナー等、技術系以外の社員がほとんどです。若手社員から「AWS理解を深めたい」という声があがり、AWS様のご協力のもと今回の研修が実現いたしました。

本研修は、午前はオンライン講義形式でAWSに関する概要を学び、午後はハンズオン形式で実際にAWSサービスを体験する流れで行われました。
講義では、大事なポイントを小林さんから受講者に向け、名指しで質問が投げかけられるため、オンライン講義であろうとも気が抜けません。全体を通してインタラクティブな内容だったため、計4時間という長時間でしたが、集中力も途切れず、真剣に取り組んでいる様子が伝わって来ました。
AWSについて、特に大事だったと思うポイントを下記にまとめてみました。

はじめに

AWSはAmazon社のグループ企業であり、AWSもAmazonのビジネスモデルを採用されています。


AWSは必要な時に必要なだけコンピュータリソースを利用できる、といった形態をとっています。水道や電気などの光熱費と同じように「使った分だけ料金を支払う」感覚です。

コンピュータリソースとは、下記3つのことを指します。
①サーバ
②ストレージ
③ネットワーク回線
オンプレミスではそれぞれ企業のインフラの運用管理者が管理していたのですが、クラウド化をすることで、すべてをAWS側で管理し提供をされています。

AWS活用のメリット

主にこの6つがあります。

・俊敏性
これまでオンプレミスで構築していた時には、数か月、数年かかっていたリードタイムが、AWSにすることにより一瞬でインフラを用意することができるようになりました。

・コスト削減
サービスを開始する際、用意するインフラの予測を立てることは非常に困難です。初期費用も膨大にかかったり、高額な設備投資をしても実際に使わなかった場合はムダが発生してしまいます。また、逆に、設備が用意できていなかったためにビジネスの機会損失に繋がってしまう可能性もあります。
クラウドインフラを導入すると、スケジュールベースで手動で増減することができるため、無駄を無くし、且つ、不要なコストがかからないのでコスト削減が可能です。

・弾力性
お客様のビジネス要件に合わせ、柔軟に対応ができます。様々な負荷に対してスケールアップ、スケールアウトできるため、需要に合わせた形でサービス提供が可能です。

・グローバルの展開

AWSではグローバルのインフラストラクチャーを提供されています。
当社は主に東京のサーバーを利用していますが、東京だけでなく、全世界のロケーションでサーバーが用意されています。ロケーションは「リージョン」と呼ばれています。
AWSは全世界に24のリージョンを用意し、77の「アベイラビリティゾーン」があります。アベイラビリティゾーンとは、複数のデータセンターを一つにまとめたものです。
リージョンは年々拡張していて、2021年には大阪、ジャカルタ、スペインの3つが利用開始される予定です。

アベイラビリティゾーン間は、ネットワーク的にも、物理的にも、電力的にも、個々が切られています。そのため、仮に一つのデータセンターで障害があった場合でも、他のアベイラビリティゾーンでサービスを提供していれば、意図的にもう一方のアベイラビリティゾーンのみでサービスを提供することができます。そうすることで障害は影響せず、安定して動くように設計されています。即ち、なるべく複数のアベイラビリティゾーン(マルチAZ)を使ってサービスを提供することで、安全性や可用性が高まります。

もちろん、アベイラビリティゾーンはひとつでも、複数でもそれぞれの構成における冗長化はもちろん、物理的に離れたリージョンを利用した冗長化(マルチリージョン)により大規模災害に備えた設計も可能なため、システム要件に最適な構成を選択することが重要です。
当社が構築・運用しているシステムにおいても、マルチAZ構成やマルチリージョン構成を採用しているシステムは多く存在しています。

・高いセキュリティ
セキュリティーは、AWSの最優先事項として進めており、様々な国際規格を取得されています。
AWSの社員でも、それぞれのサービスが実際にどこのデータセンターを利用しているかはデータセンターで働く一部の人間のみしか知ることができないそうです。データセンターに入るための認証セキュリティも高く、ネットワークも高度な対策を取られています。

またAWSでは、責任共有モデルという「お客様とAWSの間で責任の役割分担をしていきましょう」という考え方に則ってサービスをご提供されています。具体的には、リージョンやアベーラビリティゾーンなど物理的なサーバ、ソフトウェア、管理維持運営はAWS、その上に乗せる個人情報やデータの管理や暗号化はお客様自身でやっていただく必要がある、という内容です。そのため、AWSはお客様のデータが見られないようになっています。

・幅広い機能
AWSは175を超えるサービスを提供しています。様々な組み合わせをすることで、幅広いサービスへの提供が可能です。

主要サービス

・Amazon EC2 (Elastic Conpute Cloud)
オンプレミスでいうサーバーに相当します。PCをイメージすると理解しやすいと思いますが、ハードウェアのPCとの違いは、キャパシティ、サーバーのスペック、メモリの数を増やす、逆に一次的に減らす、などが自由自在に容易にできるところです。

EC2にはAWS AutoScalingという機能があります。EC2利用率、CPU負荷が実際どれくらいあるかを常時監視しているサービスで、その監視データを元に「CPU利用率があがってきているな」となればマシンを増やしていく、「ほとんど使われていないな」となれば減らしていくなど、自動で行っていく機能がAutoScalingという機能となります。
オンプレミスの場合は、最大予測値に合わせてリソースを確保して、無駄が発生してしまう場合がありますが、AWSではAutoScalingは柔軟なリソース増減で可用性を維持し、機会損失防いだり、無駄なコストの削減が可能です。

・Amazon S3 (Simple Storage Service)
ストレージのサービスとして、S3があります。これはオンプレミスの「NASストレージ」に相当します。データを無尽蔵におけるのですが、最低料金設定はなく、実際に使用した分だけを支払う仕組みです。
S3の機能を有効にすることでバージョン管理が可能になり「誤って削除してしまったファイルを復元したい」「前のバージョンに戻したい(ロールバック)」というような要望も叶えてくれます。
例えば、使用頻度も低いが長期保存が必要なデータの保管などには、長期アーカイブに最適なストレージクラスを利用することで、コストを大幅に抑えることができます。設計・構築する際には、データの使用頻度や重要度に応じてS3 ライフサイクルポリシーを設定して「初めはよく使っているファイルも一年たったらあまり使わなくなるので長期アーカイブ用のストレージに自動的に移動させる」など、費用の最適化ができます。

メディア向けサービス

AWSではメディアに特化したサービスを幅広く展開していて、大きく分けると、下記4つのワークロードが用意されています。
①映像制作、編集作業をするようなシステム
②コンテンツを管理するシステム(配信するのか、放送するのか、などを選択できる)
③放送する、もしくは配信をするためのシステム
④蓄積したデータから、機械学習&データ分析をするシステム
放送に関しては、①~③で行いますが、Webの配信に関しては、④のシステムを利用することで還元し、またそれぞれのコンテンツ制作に最適化させていくことができます。
上記のうち、①と③をより詳しくご説明いただきました。

①コンテンツ制作&ポストプロダクション
現在、コンテンツ制作環境のクラウド化が加速しています。必要な時に、AWSのマシンのリソースを使って、AWS上で編集できるので、リモート環境での編集業務が可能となります。

③これまでの放送業界はHD放送が中心でしたが、最近ではCSやBSなどの4K、更に配信の世界では8Kへのニーズが高まっています。
画質、解像度が上がってくればあがってくるほど、マシンのリソースは必要になってくるので、クラウドのサービスを構築して利用するのは最適です。
現在、世界中で多くのコンテンツ配信サービスは、AWS上で稼働しています。メディア向け特化サービスが多く展開されているため、様々な組み合わせにより、ライブ配信サービスやオンデマンドサービスも提供することができます。

以上、午前の講義で、非エンジニアの私が特に「なるほど!」と思った内容を抜粋し、レポートさせていただきました。

まとめ
午後の部はハンズオンで、「S3 を使用した Static Website」「EC2でWebサイト構築」という2つの課題に取り組みました。今後も多くの社員がAWS資格取得を目指すにあたり欠かせないクラウドの理解を深めるために、非エンジニアでも実際にAWSを体験できたことは、とても有意義だったと思います。
今後も当社では、AWSに関する様々な学習機会を通じて社員の成長をサポートし、よりお客様に最適なご提案ができる体制を構築して参ります。

また、現在AWS関連の様々な職種を積極採用中です。ご興味を持たれた方は、是非お気軽にご連絡ください。

【AWS関連募集職種】
AWSエンジニア
AWSコンサルティングエンジニア
ビッグデータシステム開発エンジニア