はじめに
インフルエンサーマーケティングが普及し、多くの企業がインフルエンサーと連携することで、効率的に消費者にアプローチする機会を得ています。しかし、ブランドや商品に最適なインフルエンサーを選定するには、いくつかの評価ポイントを把握することが重要です。
今回は、インフルエンサー選定のためのポイントや、避けるべき落とし穴と対策を詳しく解説します。
効果的なインフルエンサー選定のためのポイント
インフルエンサー選定の際には、効果を最大限に引き出すために、以下の評価指標を確認することが重要です。適切なインフルエンサー選びには、フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率やコンテンツのクオリティなど、総合的な指標に基づいた評価が求められます。
フォロワー属性
インフルエンサーのフォロワーが自社のターゲット層と一致しているか確認することは、選定の基本です。フォロワーの年齢、性別、地域、関心分野などが自社のターゲット層と合っているか確認しましょう。
エンゲージメント率
エンゲージメント率は、いいねやコメントなどインフルエンサーの投稿に対するフォロワーの反応度を示す指標です。一般的には、エンゲージメント率が高いほどフォロワーがアクティブであり、インフルエンサーとの関係が良好であるとされています。フォロワー数によって異なりますが、目安として一般的に5%以上のエンゲージメント率があると良好とされます。
投稿頻度とコンテンツの一貫性
インフルエンサーの投稿頻度やコンテンツの一貫性も評価ポイントです。コンスタントに投稿しているインフルエンサーはフォロワーにとって存在感があり、エンゲージメントも安定している可能性が高いです。また、特定のジャンルに一貫性があると、フォロワーがそのジャンルに関心を持っている可能性が高く、自社サービスと関連性がある場合は効果的です。
コミュニケーション力
フォロワーと積極的にコミュニケーションを取っているインフルエンサーは、信頼度が高くなります。フォロワーのコメントに丁寧に返信したり、意見を取り入れたりするインフルエンサーは、フォロワーにとって親しみやすく、プロモーションの際も自然なかたちで信頼が得られやすいです。
プラットフォーム適正
インフルエンサーが主に活動するプラットフォームが、自社のターゲット層に適しているかを確認することも重要です。自社のターゲットがどのプラットフォームに多く存在するかを考慮してインフルエンサーを選定しましょう。
ブランド適合性の見極め方:価値観とコンテンツの一致性
インフルエンサー選びにおいて、フォロワー数やエンゲージメント率だけでなく、ブランド適合性も重要な要素です。ブランドの価値観やイメージがインフルエンサーと一致していることで、プロモーション効果が向上し、消費者の信頼感も高まります。
ブランド価値との共通性
インフルエンサーの価値観やライフスタイルが、自社ブランドの価値観と共通しているかを確認します。例えば、SDGsへの取り組みを大切にするブランドが、環境保護に関心のあるインフルエンサーと協力することで、消費者の共感を得やすくなります。
投稿内容の方向性とスタイル
インフルエンサーの投稿内容やスタイルが、自社のブランドイメージと一致しているかも重要なポイントです。たとえば、高級感をアピールしたいブランドであれば、洗練されたスタイルで写真を投稿するインフルエンサーと合いやすく、日常的なライフスタイルのコンテンツを多く投稿しているインフルエンサーには不向きかもしれません。
過去の提携ブランドと競合性の確認
インフルエンサーが過去にどのブランドと提携してきたかもチェックします。特に競合他社と提携経験がある場合、消費者に違和感を与える可能性があるため注意が必要です。また、同じカテゴリー内での複数ブランドの提携がないインフルエンサーであれば、新鮮なイメージを与えられることが期待されます。
フォロワーとの信頼関係
ブランド適合性において、インフルエンサーがフォロワーからどれほどの信頼を得ているかも重要です。消費者は、信頼できるインフルエンサーが推薦するブランドに対しても高い関心を寄せるため、インフルエンサーのフォロワーとの関係性を確認しておきましょう。
選定プロセスで避けるべき落とし穴とその対策
インフルエンサー選定においては、慎重に選んでも落とし穴がある場合があります。以下に、陥りがちな失敗例とその対策を紹介します。
広告表記など法令順守の姿勢の確認
2023年10月よりステルスマーケティングに対して法律に基づく規制が整備され、ステマ=景品表示法違反となります。過去の投稿などを確認してPR表記をきちんと行っているかなど法令順守の姿勢を確認することも大切です。
フォロワー数のみに依存する選定
フォロワー数が多いからといって、必ずしも影響力が強いわけではありません。フォロワー数だけに注目せず、エンゲージメント率やコンテンツのクオリティも総合的に評価することが必要です。
過剰なプロモーションの依頼
インフルエンサーに過剰なプロモーションを依頼すると、フォロワーにとって不自然に映り、信頼が低下する可能性があります。自然な形でプロモーションを行えるよう、インフルエンサーの意見も尊重し、適切な頻度や内容を設定しましょう。
過去のトラブルや炎上の確認
CMやアンバサダーなどと同様、インフルエンサーマーケティングにおいても起用するインフルエンサーによってブランドイメージを左右します。過去にトラブルや炎上はなかったかのチェックも行いましょう。
フェイクフォロワーの確認
機能していない不自然なフォロワーが多いと購入したフォロワーの可能性があります。
エンゲージメントに繋がらない見せかけのフォロワー数に騙されないよう、フォロワーの質も確認しましょう。
まとめ
インフルエンサーの選定は、インフルエンサーマーケティングにおいて重要な要素であり、選定基準や評価ポイントをきちんと押さえることで効果的なプロモーションが可能となります。
フォロワー属性やエンゲージメント率、ブランド適合性の確認、さらには落とし穴の回避策を考慮し、総合的な視点からインフルエンサーを選ぶことが成功の鍵となります。